帰国の日。
今このブログを、
帰国中の飛行機の中で書いている。
成田空港まで約5時間の時間はかかるものの、
このままボーッとイスに座っているだけで日本に帰ることができる。
楽チンだ。
せっかくだからこの2週間をまとめてみようとも思ったが、
あまりにもいろいろなことがあり過ぎてとてもまとめられない。
改めて毎日ブログを書き溜めておいて良かったと思う。
まあ基本的に滞在中は時間には余裕はあった。
だからそれもできたのだが。
そしてついにこのフィリピン合宿ブログも、
今回で最終回だ。
このブログを読んでくれている皆様に、
フィリピンでの波乱万丈(笑)な生活が伝わっただろうか。
自分の記録的な内容になってしまっているが、
読んでくれた方がそれなりに楽しんでくれていれば幸いだ、
さて、
今朝は朝5時に目が覚めた。
今日はガードマンのガルシアが朝6時に仕事を終えるらしい。
最後だから挨拶をしておきたかった。
6時にロビーに行く。
今日のフロントはMJだ。
昨日食べたレチョンの写真などを見ながら、
3人で談笑する。
そしてガルシアは帰宅し、
俺は最後の朝食を食べにレストランへ。
このホテルの朝食は5種類のメニューから主菜を選ぶ形だったのだが、
朝食を食べ終え、
ウエイターのジェリーにも別れを告げ部屋に戻る。
さすがにちょっと早起きし過ぎた。
出発までしばらく時間がある。
部屋でゴロゴロと最後の時間を過ごす。
そしていよいよ出発だ。
この暑さとも夏が来るまでお別れか。
別れのとき。
名残惜しい気持ちはもちろんあるが、
男は去り際が肝心だ。
気持ちよく笑顔でホテルを去る。
2週間前、
期待と不安でドキドキワクワクしながらフィリピンの地を踏んだ。
少しでも多くのことを吸収したい。
そう思っていたがそれは大きな間違いだった。
俺程度の男は、
吸収する前にまず心身にこびりついた垢を洗い流すところから始めないといけなかった。
キャリアを重ねることはもちろんいい部分はたくさんある。ただ逆に心に余計な脂肪もついてしまう。
自信と過信は紙一重だ。
初めの1週間はそれを洗い流すだけでいっぱいいっぱいだった。
もちろんこれはボクサーとしての話だけではない。
1人の男としての話だ。
そして1週間が過ぎ、
やっと吸収の段階に入る。
見るもの全てが新鮮ではあったが、
よく見るとなんてことはない。
当たり前のことの連続だった。
ただ当たり前がいかに難しいか。
結局そこに行き着く。
常々思っていたことがあった。
結局実力というものは引き算だ。
なにも難しいことはない、
当たり前のことをどんな環境でも当たり前にする。
これを100とする。
100に限りなく近い状態をキープ出来た者が勝者であり、
チャンピオンだ。
それになにかが欠けていくことで点数が下がる。
この合宿での2週間で果たして俺はどの水準をキープ出来ていたのだろうか…。
改めて自分の力というものが分かった。
ただなにもこれは悲観的な話ではない。
結局は日々の積み重ねなのだ、
日本に帰ってからどれだけこの教訓を積み重ねていくことができるか。
大切なのはそこだ。
そして、
2週間という短い期間のなかでセブでも多くの人達の温かさに触れた。
本当に最後は別れが惜しくて辛い気持ちにもなった。
でもそんな気持ちになれたのも、
俺に帰る場所があるからだ。
フィリピンに俺を送り出してくれたKG大和ジムのみんなや応援してくれている方々、
そして帰りを待ってくれている家族がいてくれるおかげでこんな贅沢な気持ちになれる。
日本のみんなには本当に感謝だ。
これから日本に帰る。また日常がはじまる。
でもその日常こそが1番の幸せであり力をつけていくためには何より大切なものだ。
また1日1日頑張っていこう。
そんな想いを胸に、
中野敬太
日本に帰ります
☆完☆